カンボジア日記 骨肉種にかかったディナー君のこと

レキオ店長

2017年12月14日 15:12

今年に入って、骨肉種のディナー君の手術代金、抗がん剤代金の募金を集めておりました。
彼は右足が手遅れでやむを得ず切断し、現在最後の抗がん剤の治療を行っております。


右がディナー。



元気なときに比べると、一段と痩せてしまい学校にも今は行ってないみたい。
また、元気になって行けるといいね。


今回は彼とゆっくり話すことが出来ました。



KAORI「体調はどう?」

DINA「とにかく抗がん剤がつらい。」

K「すごくわかるよ~~」

D「白血球が下がって薬を飲んだり、また入院したり。」

K「そうだろうね。わかる!
なんでわかるかって言ったら、私も癌だったんだよ。3年前にSKOに来たときは、カツラかぶってたよ。」

D「知らなかった。」

K「そして、抗がん剤もやった。全く歩くことも出来ず、本当に辛かった。だから、ディナーの辛い気持ちが、誰よりもわかるよ。」

D「・・・・・・・・・・」

K「とにかく辛いときは、ここにいる家族みんなに頼ってね。そんなときはわがまま言ってもいいんだよ。」

D「一番辛いのは、僕はサッカーだ大好きなんだ。だからみんながサッカーをしているのを見ると、心から悲しい」

K「そっか。足を切ってしまったのは仕方ない。命にはかえられないもんね。」

D「それから僕は肺に転移してるんだ。」

K「え?そして先生はどうするって言ってるの?また手術してとるって?」

D「ううん。後、残りの抗がん剤一回をやるだけ。そのままにしておくって。」

K 絶句・・・・・・・・・・・

D「前回の抗がん剤でも肺の癌は小さくならなかったんだ。もう何も出来ないんだって」

K「分かった。とにかく出来ることをやろう!私もとってもつらかったけど、家族の助けや抗がん剤や、色々重なって今、と~~~ても元気だよ。だからディナーも必ず元気になれる!それを信じて立ち向かって行こうね!」

D「OK」



そんな会話をしました。



肺の癌はもぅ何も出来ない。。。
本人もそのことがどういう事かわかっていると思う。



私に出来ることはもう何もないな。と思った。
一生懸命募金を集めただけだった。
悔しいな。
本当に悔しいな


日本だったら、他に沢山の治療法もある。
西洋医学がだめなら、東洋医学もある。
身体にいい食べ物も溢れている。
がん患者は色んな選択肢がある。
そして治療をするだけのお金もみんな多少はある。
がん保険もある。
でも、ここはカンボジア。
ただただ、(悔しいし悲しい)の感情しか湧き上がってこなかった。


どうしてこう人間は平等ではないのだろう。
生まれた国は運命であって、いつも変わらないのかもしれない。
裕福に育っている人種や国は山ほどあり、お金や物に溢れて暮らしている人もいれば
親に捨てられ、孤児院で育ち、癌になっても誰も家族は迎えてはくれず、このまま時をすごす。

彼が一体何をしたの?
一生懸命生きて、学校に行って勉強して、大好きなサッカーボールを毎日追いかけて。


でも、でも、でもね!!!


本当にSKOの家族はみんなやさしかった!
いつもディナーの隣には誰かが寄り添ってる。
そしてディナーも全然卑屈にはなっていない。
みんなと話していて笑顔も沢山みれたし、楽しそうな場面もいっぱいあった。

ここの子供達はみんなみんないい子に育っていて嬉しい。
これからも助け合って、支えあって、家族として一生付き合っていってね。


募金いただきました、全ての皆様。
心よりお礼申し上げます。
彼は元気に暮らしています。
今後とも、私が出来ることを模索して、支援していきたいと思っています。
本当にありがとうございました!





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